釈迦如来、お釈迦さまの話-その6-

苦行の釈迦 お釈迦さまは世の無常を深く感じ、出家の覚悟を決め、多くの修行者が行を行う中インドのマガダ国に向かいました。当時マガダ国にはア―ラ―、ウッダカという2人の優れた修行者がおり、ともに高い禅定を得て精神統一を容易に行いましたので、多くの弟子が付きました。
しかしお釈迦さまは子供の時から精神統一は得意ですぐに2人の優れた修行者の精神統一方法をマスタ―してしまい、それに満足できなくなりました。禅定で満足できなければ苦行を試みるほかに方法がありません。お釈迦さまの苦行は6年間も続き、苦行では他の修行者の追従を許しません。ついにお釈迦さま死にかかり、人に救助されるほどになりました。しかし、苦行によって彼の心が平安になることはありません。かえって心が乱れ、生命の危機の際に追い込まれただけでした。

そこでそれまでの苦行を捨て、垢づいた身体を清らかな流れの水で洗いきよめ、一休みしたところへ村の娘が一椀の牛乳をもって来てくれました。娘の名はスジャ―タといいます。どこかで聞いた名でしょう。牛乳を飲んで衰弱していた身体は急速に回復しました。お釈迦さまは、付近の樹木の下で端坐し、ここで宇宙の真理をさとりました。お釈迦さまが三十五歳の時で、樹木は後に菩提樹と言われます。さとりの前提は健康な身体で通常の思考を徹底的に行うことです。さて、お釈迦さまのさとりとはどのような内容でしょう。これは次回の続きとします。

以下次号