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古典会だより-衆人愛敬しゅうにんあいぎょう寿福増長じゅふくぞうちょう-

延喜5年(905)撰集の『古今和歌集』仮名序に「やまとうた(和歌)は、人の心をたね(種)として、よろづのことの葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざしげきものなれば、心に思ふことを、見るもの、聞くものにつけて、言ひいだせるなり。・・・ちから力をも入れずして、あめつち天地を動かし、目に見えぬ鬼神をも、あはれと思はせ、おとこ女の仲をもやはら和げ、たけき猛もののふ武士の心をも、慰むるは歌なり」と歌の真意を述べています。 続きを読む

【漢字講座】第28 令(れい・よい)和(わ・やはらぐ)

五月一日からの新しい年号が決まりました。令和(れいわ)です。『万葉集』巻五、梅の歌三十二首のはじめに次の文章があります。
○天平二年正月十三日に、帥の老の宅にあつまりて、宴会をひらき。時に、初春の月にして、気よく風(やはら)ぎ、梅は鏡前の粉をひらき、蘭は珮後の香を薫ず。
令月の令と風和ぎの和で令和としたというのです。そこで令・和という二字の漢字について考えてみます。
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釈迦如来、お釈迦さまの話-その19-

仏像の展開 初期の仏像はお釈迦さま、釈迦仏の像で、なかには過去仏を表わしている場合もありますが、まったく同形像で区別はつきません。大乗の諸仏、薬師仏、阿弥陀仏の像が仏像の初期の時代に含まれていたか否かは不明です。逆に言えば薬師仏、阿弥陀仏の像が何時頃から制作されたかの究明は実はかなり難しいのです。それよりもインド・西北インドから北廻り、南廻り、あるいは西まわりで世界各地に広がった跡を追跡する必要があります。
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古典会だより-春の七草 ハコベ-

ハコベラ、ハクベラ、アサシラゲ 蘩縷・蘩婁・鵝腸・鵝腸菜
我が国いたるところのやや陰地に好んで自生するナデシコ科の二年生草本。ほぼ世界中に分布。鶏のヒナが好んでついばむところからヒヨコグサと呼ぶ地方が多く、英語もchick-weed(ヒヨコ草)とする。ナデシコ科はナデシコやセキチクのように花が大きくてきれいなものやハコベやミミナグサのように小さくて目立たない花もあり、一見違って見えますが、茎の節がはっきりしていて、葉は対生、花は五まいのがく、五まいの花びら、十本のおしべと一本のめしべからなり、果実は熟すと裂け,沢山の種子が出来ることなどの共通点があり、アメリカナデシコ、セキチク、ナデシコ、カ―ネ―ション、ハコベ、ミミナグサ、ノミノフスマ、ムシトリナデシコ、カスミソウ、ツメクサなど多彩です。
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釈迦如来、お釈迦さまの話-その18-

仏像 ここでお釈迦さまを礼拝のために彫刻に彫り、絵画に描いた仏像について話します。仏像には広狭の用法があり、ふつうには仏陀像を指しますが、広い意味では仏教の諸尊像をすべて包含します。両者とも本来は彫像・絵像の別を問いませんが、一般には彫像のみについて仏像といい、これに対して絵像の場合を仏画と称して区別します。仏陀像は元来仏教の開祖である釈迦牟尼の像に限られていましたが、仏教の教え、仏教思想の深化とともに釈尊の悟りの由来や情況を説明するために過去仏や十方仏,その他の種々の仏陀、如来を出現させ、彫像に彫りました。
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慈覚大師円仁讃仰「入唐求法巡礼行記」研究-その32-

○開成四年閏正月五日、雨ふる。夜に入り雷鳴あり。電光浩雨は夏月の雷雨に似たり。自後、望(十五日)に至りて始めて晴れぬ。相公李徳裕が開元寺瑞像閣を修理のため、講を設けて募縁①す。正月一日より始め今月八日に至りて講おわる。銭五百貫をもって木を買い、曳いて寺の庭に置く。かつ勾当②はこれを整え削りせしむ。本国朝貢第一舶使下③の水手・射手六十余人、皆病に臥して辛苦せり。
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古典会だより-お正月

日本の国は、春夏秋冬と、四季の変化に恵まれ、折々の節目を大切にし、楽しんで来ました。旧暦一月二月三月は春、四月五月六月は夏、七月八月九月は秋、十月十一月十二月は冬とし、自然、人事、事物でも各季節を表し、語句一旬で豊富な内容を展開します。『俳句歳時記』に載る季題、季語は旧暦、新暦(今使われている暦)でほぼ一ヶ月のズレがあるため、「七夕」のように季節は夏ではなくて秋の季語になっていたりして、多少の違いがありますが、おおむね当たっているところしょう。
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【漢字講座】第27 亥・猪(い)

本年の干支は亥(ゐ=い・いのこ)、亥の音はガイが慣用です。普通は亥と書き、部首も亠(なべぶた)ですが、正しくは亥の上は亠ではなく、二なのです。象形文字で豕と同字。二は互の省体で、豕の頭部の形を表わし、亥の亠の下部はその胴体・四足とを象ります。仮借して十二支の第十二位。「説文」では、二と二人と⊂とを合わせた会意字とします。二は古文で上、陰気が上に在る意味で、二人は男女の二人、⊂は子を懐く形、男女が子を生むことを意味し、陽気が下に起きる象です。陰気が極まって陽気のきざすこと、年の運勢も今年を境に好転させたいものです。亥が十月に当たるのは、北斗七星の斗柄が亥に向くからです。
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