六根清浄・子供篇

拝島大師の厄除け祈願や身体安全祈願、さらに学業成就受験合格祈願に行う護摩供の終わりのお加持は俗にお祓いとよばれますが、これに六根清浄(ろっこんしょうじょう)があります。
六根とは眼耳鼻舌身意(げんにびぜっしんに)で、人間などほ乳類の動物には眼、耳、鼻、口の中の舌、そして身体と意=心があります。感覚器官とよばれ、これを清浄にすることが六根清浄です。まず眼を清浄というのは目をきれいにして、目でよく見る、正しく見るのです。子供さんは、まず家庭でお父さん、お母さんのごはんの食べ方などさまざまな生活に必要なことを目でみて覚えます。

幼稚園や保育園に行くと先生やお友達がしていることをよく見て生活の幅が広がります。それに家から外に出ると、道路を歩き、交差点では赤黄青の信号の色をよく見ることが大事です。ここで見ることは考え、判断することだと自然に理解するようになります。
そして小学校に入学すると教科書を読み、先生の顔と黒板の字をよく見て勉強します。眼で見ることは耳で聞くこと、聴くことが同時に伴います。ことばを聴くのは耳の役割です。道路では自動車や自転車の音に気をつけ交通事故を防ぎましょう。鼻は匂いや香をかぎ、舌は食物の味をあじわうのですが、鼻は呼吸に大事です。舌はことばをしゃべる器官です。発音を覚えるのは日本語でも重要ですが、英語など外国語では飛躍的に重要となります。身体も赤ちゃんが歩き方を覚え、幼稚園保育園の遊戯、小学校の体育など身体能力の向上が目的です。意こころは家庭でも学校でもお友だちや先生ら他人となかよく協調することが必要です。しかし、ケンカになったり交通事故に遭遇したりの災厄があります。
拝島大師では誕生初宮詣は赤ちゃんがケガや病気に罹らないように、七五三は厄年であって子供さんが災厄に遭わないように、十三詣りは学問諸芸上達を祈願します。さらに富士登山の「六根清浄 お山は晴天」は眼耳など六根の清浄が登山の安全に必要です。六根清浄はお子さんが幼年少年から青年になるための感覚器官開発に重要なのです。  合掌