釈迦如来、お釈迦さまの話-その8-

初転法輪 今日サ―ルナ―トと呼ばれる土地にお釈迦さまの時代の呼び名であるベナレスの鹿野苑で、かつての弟子五人たちに釈尊は自分のさとりの内容を話し出しました。釈尊の最初の仏法説法で初転法輪と呼びます。転法輪とは転輪王がその輪宝を転じて全世界を征服するにたとえて、仏が説法することを、法輪を転ずるとといったものです。この最初の説法では、仏教の根本教理である四諦・八正道が説かれました。

四諦 四諦とは人生に関する四つの真理のこと、人生は苦であるという真理(苦諦)、苦の原因に関する真理(集諦)、苦を滅したさとり(悟・覚)に関する真理(滅諦)、さとりに到る行法に関する真理(道諦)の四です。苦集滅道の四聖諦といいます。

八正道 また八正道は修行の基本となる八種の実践徳目で正見・正思惟・正語・正業・正命・正精進・正念・正定、すなわち正しい見解・思索・言葉・行為・使命・努力・思念・禅定の八をいいます。八正道は八聖道ともいい、仏教徒の修行、日々の生活の基本律法です。

縁起説 お釈迦さまが菩提樹下で観察した世界人生の真理は、縁起説といわれる仏教の根本教理ですが、四諦説も縁起説の一種であり、縁起説を具体的に分かり易く説いたものです。縁起説の全体は後に説明します。

仏弟子の増加 やがてベナレスで町の豪商の子のヤサ及びその友人の3人、さらに彼ら商人仲間50人が釈尊の話しを聞いて出家し、仏弟子となりました。釈尊はひとりでも多くの人々に仏の話しをきかせるために、彼ら仏弟子はひとりひとりが各地方に行くように命じ、2人以上がいっしょに歩いてはならぬと言いました。こうして一般世人に対する仏教の伝道活動がはじめられました。釈尊自身もマガダ国の王舎城に向かい、途中で遊楽にうつつをぬかしていた30人の青年に、「真の自己を求めよ」と言って、教導して出家させ仏弟子に加えました。

拝火教徒1000人を仏弟子 マガダ国では、当時この国で年齢的、人格的に最も尊敬されていた3人兄弟の拝火バラモンをその徒1000人とともに仏教に帰依させ、やがて国王ビンビサ―ラを教化しました。

竹林精舎 王は増大する仏弟子の仏教教団のために、王園を寄進し、それが有名な竹林精舎となります。

摩訶迦葉・舎利弗・目犍連 ついでこの地方の若い修行者であり、後に釈迦の後継者になった摩訶迦葉(マハ―カッサパ)を弟子にし、さらに仏の二大弟子として有名な舎利弗(シャ―リプッタ)・目犍連(モッガッラ―ナ)の2人も、その徒250人ととともに仏弟子となり、仏教教団に入って来ました。

以下次回