釈迦如来、お釈迦さまの話-その23-

権現さま 日本独特の仏様に権現様があります。仏・菩薩が衆生を救うために種々の身や物を権(かり)に姿を現すものです。平安時代後期以降の本地垂迹説では仏・菩薩が日本に神の姿で現れたとします。熊野三所権現、日吉山王権現、白山権現、春日権現、富士権現、箱根権現、愛宕権現、清滝権現、飯綱権現、秋葉権現などですが、秋葉権現は天狗、飯綱権現は兎や烏天狗などを正体とします。特異な権現に吉野蔵王堂や鳥取投げ入れ堂の三仏寺などの蔵王権現がありますが、いずれも修験道の本尊です。もう一かた、東照大権現は徳川家康が死後神として祀られたのです。権現様の中には人間の高僧があまりに修法の霊力が強く権者と言われ、その画像や彫刻が本尊に祀られた元三大師があります。拝島大師の御本尊です。真言宗では弘法大師を祀ります、これに準ずるのに聖徳太子像を祀る太子堂が全国にあります。なお、権現様とよく似た神に明神さまがあり、稲荷大明神がありますが、愛知県の豊川稲荷は曹洞宗の寺院です。さらに八幡さんは神号が八幡大菩薩で宇佐や箱崎、鎌倉ほか全国に祀られましたが、僧形で錫杖を持ち衆生済度する姿もあります。こうした種々の仏・菩薩の仏様が日本人の悩みを救うとしていろいろなお姿で顕現され、皆様を守護します。コロナウィルスの新型肺炎で危機的な衆生をどうか守護してください。