釈迦如来、お釈迦さまの話-その22-

天・守護仏 南都興福寺の八部衆の阿修羅に続いては、八部衆最初の天について説明します。『妙法蓮華経』法師功徳品に、次の一節があります。「復た次に、常精進菩薩よ、もし善男子・善女人ありて、この法華経を受持し、もしくは読み、もしくは誦し、もしくは解説し、もしくは書写せば、千二百の耳の功徳を得ん。この清浄なる耳をもって、三千大千世界の、下は阿鼻地獄に至り、上は有頂に至るまで、その中の内外の種種のあらゆる語言の音声・・天の声・龍の声・夜叉の声・乾闥婆の声・阿修羅の声・迦楼羅の声・緊那羅の声・摩睺羅伽の声、云云」。ここで天とは天部の諸天、すなわちインドの神々で天上に住みます。でもその種類は多く、日本で有名な天部に弁才天、これは弁財天とも、また本字では辨財天、辯才天ともいろいろな書き方があります。弁才天の才は才能で音楽・弁才・福智・延寿・除災・得勝を司りますが。戦い戦争の神ともされます。コロナウィルスとの戦いの神になります。二臂また八臂で、左手に弓・刀・斧・羂索を、右手に箭・三鈷戟・独鈷杵・輪を持ち、また琵琶を弾じた姿もあります。音楽の神の姿でしょう。インドではもと河川を神格化したもので、吉祥天とともにもっとも信仰された天部です。後世、吉祥天と混同され、福徳商売繁盛の神とされ、弁財天と書かれて七福神の一に数えられます。次に同じく七福神の一である毘沙門天は忿怒の相の武神形で甲冑を着け、片手に宝塔を捧げ、片手に鉾、または宝棒を持ちます。須弥山の中腹北方に住して、北方世界を守護します。四方の世界を守護する四天王の一にも数えられますが、その場合には多聞天と称されます。四天王は皆武神ですべて甲冑を着けています。甲冑を着けて衆生世界を守護する神仏には薬師如来の十二神将も居ます。皆さんの生まれ年の干支がそれぞれ干支の動物の神将になってその年の皆さんを守護してくれるのです。子神は宮毘羅(くびら)大将、本地は弥勒菩薩、丑神は伐折羅(ばさら)大将、本地は勢至菩薩、寅神は迷企羅(めきら)大将、本地は阿弥陀如来、卯神は安底羅(あんちら)大将、本地は観世音菩薩、辰神は頞儞羅(あじら)大将、本地は如意輪観音、巳神は珊底羅(さんちら)大将、本地は虚空蔵菩薩、午神は因陀羅(いんだら)大将、本地は地蔵菩薩、未神は波夷羅(はいら)大将、本地は文殊菩薩、申神は摩睺羅(まごら)大将、本地は大威徳明王、酉神は真達羅(しんだら)大将、本地は普賢菩薩、戌神は招杜羅(しょうとら)大将、本地は大日如来、亥神は毘羯羅(びから)大将、本地は釈迦如来です。十二干支のそれぞれの守り本尊の菩薩、明王、如来ということです。さらに日本では仏さまが日本の皆様を救済するため特に垂迹された権者であるお大師さまのような方が皆様を守護します。コロナウィルスの新型肺炎で危機的な衆生をどうか守護してください。