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【漢字講座】第32 菊(きく)

秋の花は何と言っても菊です。今回は菊という漢字を考えてみます。
菊は草本ですので草冠が付きます。その下に真ん中に米の字を包むように大きな丸い花が見えます。いかにも菊らしい漢字です。ちなみに漢字の音が同じの麹という字は米に花が咲いたように見える漢字ですが、麦偏だから麦麹です。
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【漢字講座】第31 歌(か・うた)

五月一日からの新しい年号の令和(れいわ)は『万葉集』巻五、梅の歌三十二首の序文から取りました。万葉集は日本の歌、和歌約4500を集めた歌集です。これまで令・和という二字の漢字について2回ほど考えてみました。今回は歌という漢字について考えてみます。
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【漢字講座】第28 令(れい・よい)和(わ・やはらぐ)

五月一日からの新しい年号が決まりました。令和(れいわ)です。『万葉集』巻五、梅の歌三十二首のはじめに次の文章があります。
○天平二年正月十三日に、帥の老の宅にあつまりて、宴会をひらき。時に、初春の月にして、気よく風(やはら)ぎ、梅は鏡前の粉をひらき、蘭は珮後の香を薫ず。
令月の令と風和ぎの和で令和としたというのです。そこで令・和という二字の漢字について考えてみます。
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【漢字講座】第27 亥・猪(い)

本年の干支は亥(ゐ=い・いのこ)、亥の音はガイが慣用です。普通は亥と書き、部首も亠(なべぶた)ですが、正しくは亥の上は亠ではなく、二なのです。象形文字で豕と同字。二は互の省体で、豕の頭部の形を表わし、亥の亠の下部はその胴体・四足とを象ります。仮借して十二支の第十二位。「説文」では、二と二人と⊂とを合わせた会意字とします。二は古文で上、陰気が上に在る意味で、二人は男女の二人、⊂は子を懐く形、男女が子を生むことを意味し、陽気が下に起きる象です。陰気が極まって陽気のきざすこと、年の運勢も今年を境に好転させたいものです。亥が十月に当たるのは、北斗七星の斗柄が亥に向くからです。
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【漢字講座】山(やま)

秋は山が綺麗に見えます。紅葉があれば一段と美しくなります。今回は山の漢字を説明しましょう。
山の下の一は地上、また水平線です。そこから中央、左右の三山が飛び抜けて高く見えます。漢字を作った中国人が考える山は三峰なのです。
山は模様ともなり、それを着る第一は帝王の儀服になりました。日本に伝わった僧侶の袈裟模様に遠山があり、これは襖絵にもなります。
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【漢字講座】暑(しょ・あつい・あつさ)

今回の漢字講座は今夏の猛暑に因み暑の漢字の意味を考えてみましょう。漢字が象形文字とすると、暑い・あつさは象形ではありませんが、上に日があり、その下の者とはいかにも今年の40度を超えた暑さの様子を示しています。ギラギラ照りつける暑さ、思い出すのもゾッとし、汗がたらたら出ます。それにこのネット更新の時期ではまだ十分に暑い。残暑が果てしなく続きます。『説文』による漢字の意味では「暑は熱なり」とあります。『説文段注』では、「暑と熱とは、渾(混)じて則ち一なり。故に許すに熱をもって暑に訓じせしむ」とあり、その『釈名』では「暑は煮るなり。熱の物を煮るがごときなり」とあります。また別の中国古代の漢字の解説書である『正字通』には「暑は、夏の日気の熱なり」とあります。暑はあついだけでなく、あつさともなります。
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【漢字講座】師(し)

今回は拝島大師の師、師の漢字の説明をします。師は左が堆の本字(音はタイ)右が帀(ソウ)の合字で、堆は岡おか、またうずたかいの意、帀はめぐる、一帀は一周、故に二字を合わせて多人数の意味。一に二千五百人とします。 続きを読む