○九月十六日、長嶺判官がいうに「得たる相公の牒に称す、請益法師が台州に向くべきの状は、遣唐大使が入京して奏聞し、報府を得たるの時に、即ち請益僧らが台州に発赴するを許すものである。未だ牒案を得ていなければなり」と。 続きを読む
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古典会だより 秋の七草 詳解
『万葉集』に山上憶良(六六〇-七三三)の秋の野の花を詠む二首、
○秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花
○萩の花、尾花、葛花、瞿麦の花、女郎花、また藤袴、朝貌の花
秋の七草は日本固有種で、「ハギ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、オミナエシ、クズ、フジバカマこれぞ七草」と親しみ口づさまれ、千三百年以上も前から観賞用として姿、形、香の良さが愛されて来ましたが、食用、薬用効果大ありの有用なものでした。
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【漢字講座】栗・柿(くり・かき)
○日本の秋の果物の代表は栗・柿です。各漢字の意味を考えましょう。
栗という漢字は木の上に垂れている実の形がつきました。栗の実が沢山高い木の枝についている様子を表しています。それから栗という漢字が「みいりが良い」という意味になり、実って充実すると実が締まり堅くなります。これは人間も同じです。堅く締まった、内容が充実している人物は栗のように香しい人間なのです。
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薬師如来、お薬師さんの話-その5-
○拝島大師旧本堂大黒さん奥に薬師如来・日光菩薩・月光菩薩、それに十二神将が揃いました。十二神将について、前回の続きを述べます。
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慈覚大師円仁讃仰「入唐求法巡礼行記」研究-その11-
○承和五年・唐開成三年(八三八)九月一日、異事無し。開元寺の西より河①を渉れば、無量義寺②が有る。老僧が有り、名は文襲、春秋七十、新たに維摩経記五巻を作る。今、老僧は堂裏でその疏記を講じている。多く僧肇・道生・道融、及び天台大師智顗禅師らの義記を用いている。近寺の諸僧が集まって来てこれを聴聞する。聴衆はすべて三十八人、文襲和尚を敬って尊重している。
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古典会だより お彼岸 続き
【漢字講座】秋(あき)
○秋は四季(四時)の一で、夏の後、冬の前です。漢字では秌とも書きます。二千年前の後漢時代の許慎『説文解字』という辞書には、「秌、禾穀の熟なり」とあります。古代中国の経済思想家で知られ、斉の桓公の春秋の覇者になることを助けた名宰相の管仲も著書『管子』四時に「その時を秋という」とあり、その注には「秋、時に物成熟し、これを収める」とあります。
薬師如来、お薬師さんの話-その5-
拝島大師旧本堂大黒さん奥に薬師如来・日光菩薩・月光菩薩、それに十二神将が揃いました。薬師如来、お薬師さんについて前号の続きです。
慈覚大師円仁讃仰「入唐求法巡礼行記」研究-その10-
○承和五年・唐開成三年(八三八)八月二十六日、李相公(節度使李徳裕)配下の遊撃将軍沈弁が来て諮問した。沈弁は使者に蜂蜜一瓶①を送らせてきた。請益法師、すなわち円仁は開元寺僧百人を供養、すなわち食事を提供することになった。寺の僧の数は一百僧、そこで円仁ら求法僧は沙金二両を設供料として出し、留学僧もまた二両を出し、総計して金小四両②を寺の役所に送った。綱維・監寺という寺の役職が集まって算定すると大一両二分半という。ただちに開元寺に報告し、須く金数を具し、さらに節度使の役所に報じて主決済処分して空飯を準備することになった。その公文書は次である。
古典会だより 蓮・ハチス・お盆さま
ハスは熱帯アジアの原産で、アジア・オ-ストラリアに分布し、世界の熱帯・温帯で栽培され、野生化しており、わが国には縄文末期に渡来したとされ、1951年、千葉県千葉市検見川の約2千年前の地層から発見されたハスの種子が、大賀一郎博士の努力で発芽し、古代ハスと名付けられたのは有名です。地下茎は節が多く、泥の中で枝を分け、秋の末には先端が肥大化して蓮根レンコンを作り、葉は円形で楯状に柄が付き、中は浅くくぼみ、蝋ロウ質を分泌、また表面の多数の突起の間の空気のため、水を受けると丸い水玉となり白く光ります。柄は円柱形で直立、短いとげがあってザラつき、内に数条の気道が通り、切ると乳汁のような白い汁があふれ出し、細い糸があまた尾を引きます。春、小さな浮き葉が出て後、楯形の大きな葉が出、秋末に出る小さな葉は「とめ葉」といい、蓮根ができた目印とか。葉茎と花茎は区別があり、主な葉茎に寄り添って花茎が出、高さは1~2メ-トルにもなり、6,7月の朝日を受け、白・紅・淡紅色の花が芳香を放って開き、数時間後には閉じ、翌朝再び開き、3~4日後に散ります。花が開くと既に花托には蜂の巣状の穴があり、ハチスの意味が分かります。中には果実が入っています。この果実は熟すと黒色で固く、蓮肉または蓮子と呼び、軽く煎ったり、粉末にして滋養強壮の薬効ありとか。黒く固い皮の下には乳白色の養分と緑色の幼芽が用意されており、千年以上も発芽力を失わない生命力に驚きます。根の切り口の穴が茎の穴から花托の実に一貫して繋がります。