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古典会だより お参りの心 鐘

kane01寺社の本堂、社殿の前には、金属製の鈴や、扁円・中空で下方は細長い口のワニグチ鰐口が下げられ、参詣者は紐や綱を振り動かして打ち鳴らしお参りをします。当然の作法との説明に外国(キリスト教国)の客人から、何故ですかと問われ、他家を訪問の際のノックと似ていますと答えたら、大いに納得されました。紐や綱を握り、軽くコンコン、カランカランと打ち鳴らし、attention please で、御本尊の注意を引いてから、心静かにお願いを申し述べるわけです。
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【漢字講座】羊(ひつじ)

本年の干支は乙未、未歳、ひつじどしですので動物の羊という漢字を説明します。干支の未は上が短く、上が長いと末だと覚えてください。未来、未明、未詳、未完成など、未の使い方は「いまだ・・・でない」という意味です。干支に子丑寅卯辰未午未申酉戌亥は本来動物とは関係ないとされますが、正しくありません。
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薬師如来、お薬師さんの話-その一

拝島大師旧本堂の大黒さん奥に薬師如来・日光菩薩・月光菩薩、それに十二神将が揃いました。主尊の薬師如来、お薬師さんから紹介します。

日本では仏教伝来間もない飛鳥時代を代表する法隆寺金堂の10号壁画に薬師浄土が描かれています。薬師如来が日光菩薩、月光菩薩を伴う薬師三尊です。東方薬師瑠璃光浄土とされます。因みに法隆寺金堂には釈迦如来と文殊・普賢両菩薩の釈迦三尊で釈迦浄土、阿弥陀如来と観音・勢至の両菩薩の阿弥陀三尊で西方極楽浄土、それと北方弥勒浄土です。釈迦の浄土は現在の仏の浄土、阿弥陀浄土は死後来世の彼岸の浄土、弥勒浄土は五十六億七千万年後の遠い遠い未来の世の浄土です。
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古典会だより 秋の七草

『万葉集』に山上憶良(六六〇-七三三)の歌に
○秋の野に咲きたる花を指折りかきかぞふれば七種の花
○萩の花、尾花、葛花、なでしこの花、おみなえし、また藤袴、あさがほの花
と、秋の七草は千三百年以上も前から、観賞用だけでなく、食用、薬用効果ありの有用なものでした。
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虚空蔵菩薩・虚空蔵さん

虚空蔵さんは江戸時代の旧本堂時代より本尊大師さまの宮殿右側、向かって左側の不動明王の脇に祀られていました。お不動さんは火の中に飛び込み人びとの苦難を救う明王で火焔を背負い元気と勇気を与えてくれます。大師さまの左、向かって右側には身体から火を出す愛染明王、人とトラブルを防止し、ケンカせず、仲良くするようにしてくれます。さて、この度虚空蔵さんを樟の一本彫りで制作し、愛染さんと並べました。赤い愛染さんと白い虚空蔵さんは絶妙なコンビです。
さて虚空蔵とは、インドの言語サンスクリット語のアカサ-ガルバハまたはガガナガンジャの漢訳で、虚空がすべてのものを含蔵するように、無量の福徳智慧をそなえ、つねに人びとにこれを与え、諸願を満足せしめるという菩薩です。虚空蔵菩薩を本尊として修する虚空蔵求聞持法は求聞持すなわち暗記力を向上させることに霊験ありとしました。若き二〇代の弘法大師空海もこれを室戸の岬の洞窟中で修したところ、満行の日に口中に明星が飛び込みました。それから数年後唐に行く留学生試験の難関を突破してから求聞持法の霊験力が存分に発揮されます。すなわち延暦二三年(八〇四)遣唐使藤原葛野麻呂の第一船に同乗した空海一行は悪天候に長期の漂流となり、南方遠く福建省福州に数十キロメ-トル離れた赤岸鎮に漂着しましたが、それから空海の中国語の暗記力の超能力が存分に示され、かずかずの困難を乗り越えて唐国都長安まで到着し、青龍寺恵果阿闍梨を先生として、不空三蔵がインドより直接将来した真言密教の奥義を勉強習得します。もはや教えるものは無いとまで言われ、中国ではやがて密教は滅ぶ、これを密教相応の地である日本へ持ち帰るようにとまで言われました。
そのために平安時代以来、数え十三才になった男女が正装して虚空蔵菩薩に参詣し、これを十三参りと呼びます。数え十三才は自分の生年の干支が一巡して、同じ干支になる年です。巳(み、へび)年生まれの人は今年の巳年で十三才、中学に上がる年齢です。英語などの外国語の単語や言い回し、数学・理科の公式や歴史の年代など、暗記力が必要です。他方六十才の還暦も生年の暦に還りました。記憶力が落ち、物忘れがはじまる年です。虚空蔵さんにその防止を祈願し、楽しく暮らしましょう。

古典会だより お彼岸

三月二十一日ごろの春分、九月二十三日ごろの秋分の日は、昼と夜の長さが全く同じで、その日太陽は真東から昇って真西に沈むというのです。太古より人類は太陽と月や星の動きを注目し、観察し、関連づけ、知識や智恵を得て来ました。

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